BRANDING
店舗ブランディング
SHOP BRANDING-
店舗ブランディングは、店舗の内外装を改装するという意味ではありません。お店としてのブランド価値を作るために、空間設計、商品、サービス、人、教育、情報発信などを総合的に検討していく必要があります。商品タグやPOP、店内照明、ユニフォーム、メニューや看板、ショップカード、店舗清掃マニュアルに至るそのすべてが店舗ブランディングの対象になります。どんなにいい商品を提供していても、ゴミが落ちている、スタッフ同士が話をしている、ユニフォームが汚れているという状態では、お客さまに質のよいブランド体験をしてもらうことはできないのです。 店舗ブランディングで重要なのは、すべてを同時に展開することです。予算の都合で、まずは店舗の内外装、そして商品やサービス、最後にスタッフ教育といった段階的な展開では、効果を最大化することができません。来店したお客さまは、短時間にそれらを体験するからです。逆にいえば、その一度のブランド体験がお客さまにとって良質なものであれば、店舗のロゴを見ただけでも、ブランドに対するイメージを想起させることができるのです。店舗というタッチポイントで、いかに好ましいブランド体験をさせられるか、ということが重要なのです。
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「お客さまは神様です」とは、演歌歌手の三波春夫の言葉ですが、お客さまを神様のように「崇め奉りなさい」という意味ではありません。お客さまを神様のように捉えて芸を磨き、神前で祈るときのように心の雑念を払うことで最高の芸を見せられる、というのが本当の意味です。店舗ブランディングは、時間をかけながらお客さまの心の奥深くに浸透し続けるものです。一方で、ブランドイメージは未来永劫続くものではなく、新商品の投入や新しいサービスの開始、スタッフ教育など定期的にリフレッシュをする必要があります。 今は閉店してしまいましたが、1984年にハーゲンダッツが青山に1号店を出店しました。当時の日本市場は「アイスクリームなんて子供の食べもの」というイメージがありましたが、「おいしい」という物性的な答えだけでなく、食べている間や食べた後に感じる情緒的な世界観を作り「プレミアムアイスクリーム市場(=大人だけの喜び)」を確立したのです。 このように「アイスクリームと一緒に幸せな気持ちも味わえる」という商品のブランド価値も含めることで、導入期における「市場形成」や、成長期における「市場独占」などを実現できるようになるのです。